弟の交際相手の身元が気に掛かり、霊視をお願いしました
8月のお盆休み、東京で働いている弟が恋人の女性を伴って帰省しました。2人は結婚を約束している仲とのことで、「顔合わせをするから、おまえもちょっと来い」と父に呼ばれ、県内の外れにある実家へ日帰りで出掛けました。そこでその女性と初めて会ったのですが、正直に言って第一印象はあまり良いものではありませんでした。例えば身なりが派手だとか、礼儀とか言葉遣いとかそうした分かりやすいことではなく、一見、普通の家庭のお嬢さん然としながらも、それがどこかアンバランスな感じがしたのです。言葉では上手く表現できないのですが、要するに彼女が漂わせているオーラのようなものに強い違和感を覚えました。
こうした違和感は男には全然分からなかったようで、当事者の弟はもちろん父もすぐに彼女のことを気に入った様子でした。しかし、後で母に聞いてみると私と全く同じ印象を抱いたらしく、「優理子もそう思う?あの人、やっぱり何か変だよね。何というんだろうね……あ、そう!ブリッ子っていうの?自分の本性を隠しているっていうか」「ねえ、私が夕方に帰った後、どうなったの?」「龍哉(弟のことです)と一緒にウチへ泊まったよ。その後、先に東京へ帰ったけれどね」会話を交わすうちに、私以上に母の方が彼女に対して強い疑念を抱いていることが分かりました。昔から人一倍弟を溺愛していたこともあり、大事な一人息子を他の女に取られたくないという母親ならではの嫉妬心が働いたのだとは思いますが、その部分を差し引いてもたしかに気に掛かることでした。
そのような次第で、別件の問題について喜多福先生にご相談した際、余った鑑定時間で弟のことについても訊ねてみたのです。快く引き受けてくださって、過去から現在に至る状況を霊視してみましょうということになったのですが、結果は予想以上に良くないものでした。「ああ、これはかなりまずいです。下手をすると弟さんはもちろん、他のご家族の皆さんにまで危害が及びます。文字通り、不幸のどん底に突き落とされますよ」と、いつになく強い調子で警告を受けました。「まず、弟さんとこの女性のなれそめですが、彼らがご両親に説明した経緯とは大分異なりますね」「どういうことですか?」「弟さん、その女性とは会社の同僚の紹介で知り合ったと言っていたのでしょう?」「はい、そうですが」「実際にはナンパがきっかけで出会っています」「えっ?ええーっ!まさか、あの奥手の弟が……」驚きのあまり、つい素っ頓狂な声を出してしまいました。すると先生は言いにくそうに、「いや、そうではなくて逆です。女性の方から弟さんに声を掛けたのです。俗に言う、逆ナンというやつです」とおっしゃいました。「その時の様子がちょうど今、見えています。弟さんの勤め先の近くに行きつけのお店があるようなのですが、そこでグループ同士のテーブルが隣り合ったのをきっかけに、お互い知り合ったみたいですね。その後すぐ、女性の方から弟さんに連絡し、早くも2人だけで会っています。そして、そのまま交際という流れになったのでしょう」続いて語られた詳しい霊視のあらましは、さらに耳を疑うものでした。
半年近く前、弟は大学時代の知り合いに誘われて、あるパーティに顔を出した。ホテルの宴会場を使って催されていたそのパーティは表向きビジネス交流会のような雰囲気で、誘いを受けた際にもそう説明されていたが、実際には宗教とマルチ商法を掛け合わせたような怪しい集まりで、それに気付いた弟はすぐに会場を飛び出した。しかしこの時、すでに主催者側の誰かが弟のプロフィールに目を付けており、後日、その息が掛かった側近の女性を身近に送り込んで誘惑させたというのです。
「もしかして、ご実家は資産家でいらっしゃいますか?」「いえ、そんな大層なものではないですが、代々受け継いできた土地などはあります。畑とか山林とか」「弟さんのお勤め先は?」「一応、上場企業です」「そうですか。今のお話だけでは向こうの狙いを特定できませんが、弟さんを引き込もうとしている意志があることだけは明白です。正式な婚約などに至る前に、早急に手を打つ必要がありますね」。
弟を説得するに足る具体的な証拠を集めるように言われ、翌日、母とも話し合ってすぐ行動に移しました。私の夫は総務関係の業務をしているので、そのツテをたどって東京の興信所に依頼し、問題の女性の身辺調査をしてもらったのです。
それから2週間ほどで調査報告書が送られてきたのですが、そこには喜多福先生が霊視したビジョンと寸分違わぬ内容が記載されていました。結論からいうと、女性はマルチ商法と洗脳セミナーを掛け合わせたような危険な団体の信者だったのです。そこの団体は当初、密教とヨガを掛け合わせたような瞑想修行を売りにして信者を集めていたようなのですが、いつの頃からかマルチビジネスにも手を広げ、法律すれすれの危うい行為を繰り返しているということが分かりました。もちろん、正式な認可を受けた宗教法人などではありません。
父にも調査報告書を見せた上で、その翌日の土曜日、弟を単身で呼び出しました。こちらが動いていることを女性とてそのバックの団体に悟られないように、母が自動車事故で入院したというウソをついたのですが、この辺の知恵も喜多福先生から拝借したものでした。当然ながら弟は激昂していましたが、父から報告書を突きつけられたとたん顔面蒼白になりました。そして現在は弁護士を立ててあちらの女性と交渉中です。有能な事務所が担当してくれているので、ひとまずは安堵していますが、もし先生にご相談していなかったら今頃はどうなっていたのかと考えると背筋が凍る思いです。この紙面をお借りして、喜多福先生と法蓮の皆様にあらためてお礼を申し上げます。
群馬県高崎市 金城優理子さん(35歳)